私の見た健さん 
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2014年11月10日に高倉健さんは83歳で亡くなられました。
私どもは健さんの若い時代のいわゆる任侠映画はまったく見ておりません。
好みじゃないので、またそのころは西部劇に興味がありましたし。
映画館で初めて見たのは下記のゴルゴ13なんですがね、
最近、ゴルゴ13のモデルの一人が健さんだったということで、
なるほどだから映画化の話があったのかと思います。
以下、健さんの渋い役柄が中心の映画が並ぶわけですが、
「あ・うん」の意外な軽妙な演技も見られて、こういう役もやられるんだなー。
映画でこういう感じも見てみたいと思いながら、
もう新作を見ることもできなくなってしまいました(*_*;
(2014年11月26日追記)

題名

DVD

出演者

レビュー

ゴルゴ13

出演: 高倉健, プリ・バナイ, モネセ・ソーラビー

監督: 佐藤純弥

1973年

ゴルゴ13は初期から読んでました。とくに初期は小池一夫氏の影響が強く、ストーリの台詞や作りが理屈っぽく、でも説得力も強い傾向にあったと思うんですが。
健さんは、ロシア人との混血という話もあった(事実は不明)ゴルゴ13の生い立ちからくるレスラーのように太めな体躯からは、ちょっと細く多少イメージが狂いますが、ストイックさは似ているんですけども、でも誰かが自分の後ろに立ったので、警戒して鋭く振り向くゴルゴの動きを健さんで再現されると何かユーモラスで、健さんファンとしてはいやなんですね。
やっぱり受けてほしくはなかった仕事と思いますが。どうなんだろうな~、あんがい健さんゴルゴが好きだったりして??
★★

幸福の黄色いハンカチ


出演: 高倉健, 倍賞千恵子, 桃井かおり, 武田鉄矢, 渥美清

監督: 山田洋次

 TVでしか見ていないですけども何度も見ています。健さんはいつもどおり固いというかストイックなんですが。まあこれが健さんらしいから。鉄矢さんは正直熱演だけどもこの時点では明らかに素人、でも桃井さんのカバーもあってらしくなっているのでは。

なんにしても、まあDVDの表紙にも使われてネタばれになっているんだけどな。あのラストはベタだけどいいと思う。 

★★★★ 

 野性の証明

 

 出演: 薬師丸ひろ子, 高倉健, 三國連太郎, 高田宏治, 松方弘樹

監督: 佐藤純弥

 うーん、あの悪徳の地元企業はまるでやくざ映画のようだし、警察、自衛隊と設定がなんにしても荒唐無稽で、終盤のアクションもリアル感の少ないこと・・大量の物量投入で迫力だけは凄いけど。
でもやっぱりひろ子ちゃんの魅力には負ける。この映画も彼女がいればこそ。そしてちょっとリアリティが・・・と言うアクションにもまじめに取り組んでいる健さんがいいな。
なんにしても健さんが若いし、夏八木勲さんも若い。
ラストは原作と違うそうだがどう違うのか。ひろ子ちゃんのせつなさがいいわけでね、
文句がつけづらい。

でもこんなんです。 
★★

 冬の華

 

 出演;高倉健、北大路欣也、池上希実子

 やっぱり似合ってしまう健さんのやくざ者なんだけど、やくざ映画の嫌いな私にとっては、このあたりの健さんから受け入れられるんですが。

池上希実子さんが女子高生役なんだけど色っぽくてちょっとそうは見えない。まあこれもせつない話。

 

 動乱

 

出演: 高倉健, 吉永小百合, 米倉斉加年, 桜田淳子, 永島敏行
監督: 山田信夫


正直、若いころは小百合ファンではなかった私ですが、このころからは何かいい感じと思えるんです。健さんとは初共演なのかなー。2.26事件あたりの暗い時代の話。桜田淳子さんも出ていたんだ。

記憶がはっきりしないのですが。点は保留かな。

 駅STATION

 駅 STATION [DVD]

 監督 降旗康男

出演 高倉健, 倍賞千恵子, いしだあゆみ, 烏丸せつこ, 古手川祐子

健さんが刑事を演ずる。まあ健さんらしさ(それも渋さが加わった)が画面すべてに満ちている。個人的にはストーリーの流れで使いたいのかもしれないがあのマラソン選手円谷さんの遺書はやめてほしかった。切なすぎる、あの部分は映画を超えてしまう。
後半のNHK「紅白」の画面を使って、倍賞さんとの絡みがいい感じ。そしてある意味奈落に突き落とすラスト。

微妙な感じ。いいんだけどなー。
★★★★

 居酒屋兆治

 居酒屋兆治 [DVD]

 出演: 高倉健, 加藤登紀子, 大原麗子, 田中邦衛, 伊丹十三

監督: 降旗康男

 リアルタイムで映画館で見ております。久しぶりにレンタルで見ました。懐かしいですね。
健さん今から見れば若いのですが、実年齢は当時もう60代なんですね。渋い感じも納得ができます。
おそらく作品の設定年齢はもっと低いのではと思いますが・・。
結局内容は大人の話なんですね。健さんフィーチャーの映画といってもいいんじゃないかな。
英治(兆治)とさよの若い時のプロットとかも入れてほしかったし、茂子さんとの出会いの話もあるとよかったんだけど、冒頭部分からしてさよの神谷家への放火(実際は風呂の火が家に燃え移るのを放置)と家出というショッキングなシーンで、あとはタクシー会社の社長、河原との多めのからみ、確かに面白いけどなー。話、十分に描き切れていないような気がする。もう少しなのかな。
★★★

 夜叉

 

 出演: 高倉健, 田中裕子, 田中邦衛, ビートたけし

監督: 降旗康男

 

 健さんが過去のある猟師。なんとなく居酒屋兆次の漁師版を思わせる。
DVD借りようか。詳細はかなり忘れている。

 ブラックレイン

 

 監督: リドリー・スコット
出演: マイケル・ダグラス / 高倉健 / アンディ・ガルシア / 松田優作

 
松田優作さん、最初で最後のハリウッド映画。刑事ものなんです。が暴力シーンとかアクションシーンが横溢。優作さんの夭折がもったいない。
好き嫌いを超えての評価
★★★★

 あ・うん

 
 監督降旗康男
原作向田邦子
脚本中村努
撮影木村大作
美術村木忍

キャスト
高倉健 
富司純子
板東英二
富田靖子
山口美江
 日本映画専門チャンネルで見る。
さすが向田邦子、面白いストーリー、TVドラマの脚本のよう。ドラマは見たかどうか記憶なし。ただ何となくよく向田作品に出演している杉浦直樹の新劇的な暗さが記憶になるのだが、ここでは明るい健さんの演技がなにかいい感じ、むろん硬さもあるんだけどなぜか気にならない。
坂東さんはまあ素人っぽく生固いのだが、熱演はしている。しかし素人っぽさは残るのだが、いかにものお芝居的な感じが結果的に出なくて、リアルさになっているのかな。

なんというか結果オーライということなのか。まあやはり富司純子さんの、大人なのに清新さ、うまさが微妙な調和になっているのか。

WikiではNHKドラマ版のパート1のエピが映画化されているように書かれていますが、テレビドラマデータベースさんの記事によればほぼすべてのエピを書いているらしい。TVドラマ版ではその後のパート3が書かれる予定だったが向田さんの事故死により幻となった。残念。

★★★★

ミスターベースボール

なし

監督;フレッド・スケピシ
出演者; トム・セレック、デニス・ヘイスバート、高倉健

中日ドラゴンズに入団した力はあるが女癖の悪い不良外人助っ人。厳しい監督と衝突したり、なぜか監督の娘と親しくなったりするが・・・やがて

健さんが明らかに星野監督を思わせる雰囲気で演技する(でもこの時現実には高木守道監督に交代していたのね)
まあ私ども中日ファンでも?と感じてしまうB級映画?。ましてほかのチームのファンの方では何とも感じがたいだろうけど。

DVD?でとらん(笑)

★(珍作・・・ごめんね)

鉄道員(ぽっぽや)

出演: 高倉健, 大竹しのぶ, 広末涼子, 吉岡秀隆, 安藤政信

監督: 降旗康男

TVで見ました。ファンタジーなんですが。ここでは広末さんがいいですね。健さんがかっこよすぎる鉄道員。ここらをどう考えるかということなんですが。話としてはせつない
 ホタル    監督:降旗康男
脚本:竹山洋、降旗康男
音楽:国吉良一
撮影:木村大作

山岡秀治:高倉健
山岡知子:田中裕子
藤枝真実:水橋貴己
山本富子:奈良岡朋子
藤枝洋二:井川比佐志
金山文隆(キム・ソンジェ、김선재):小澤征悦
緒形成文:小林稔侍
竹本:夏八木勲
 最近の健さん映画では唯一未見の映画をレンタルにて

特攻隊の数少ない帰還兵と、特攻隊員の許嫁だった娘さんが戦後夫婦となり、鹿児島で漁師をしている。奥さんは腎臓病で余命が長くはない。
年号が平成になったころ、やはり特攻隊の生き残りだった彼の戦友が雪山で行方不明となる。どうやら昭和の終わり(昭和天皇の死)で、かつての戦友を思っての自殺のようなのだが、

同じころ知覧の食堂の女主人が引退して老人ホームへ入るという。
特攻隊基地のあった街で、特攻隊員の母親代わりとして心の支えだったその女主人から、韓国人だった漁師の奥さんの許嫁でもあったその特攻隊員の遺品を故郷の遺族に渡すよう頼まれ・・・。

*****

いわゆる反戦映画なのだ・・。健さんとしてはこのようなテイストの映画に出るのは初めてなのかな。健さん自身が特攻隊員の生き残りの役なのか。
合っているともいえるのだが、感情的に、あえて言えばセンチメンタルに話は進む。この映画戦争の描き方が妥当なのかは何とも言いようがないけど。
まあ映画ですから一つの結論を出してはいると思う。

気持ちや過去での思い出の感覚で戦争を描いている、これはこれで一つの表現なんだろうか。
健さんの夫婦物語でもあるので・・。微妙か。
この感じは最近作「あなたへ」でもっと顕著になる。でも「あなたへ」はもっと快作では。

これは佳作から快作の間かな。

単騎千里を走る

単騎、千里を走る。 [DVD]

監督 チャン・イーモウ

出演 高倉健, リー・ジャーミン, ジャン・ウェン, チュー・リン, ヤン・ジェンポー

相変わらず寡黙で健さんらしい。話は仮面劇の男の息子に会いに行こうとする流れで面白くなる。健さんも多弁になり・・。いい話になる。まあ最後はちょっと残念な話なのですが。とりあえず仮面劇の撮影は出来ることに・・まあ最後のシーンももっとと思うんですが、あれで終わりでいいのかな。

ドラマがすすむほど健さんの世界になってきて、さすが健さんにほれ込んでいるチャン・イーモウ監督。いい話にもって行きます。 

通訳の女性の日本語の演技がちょっと固くてというのは贅沢かもしれませんね、全体にはドキュメンタリータッチなのだけれども子供も含めて仮面劇の男の故郷の村人がいい芝居をしているような気もする・・・。独特な感じ。 

★★★★
あなたへ 出演;高倉健、田中裕子、佐藤浩市、草なぎ剛、大滝秀治、余貴美子

監督;降旗康男

2012年公開
久しぶりに映画館で観賞。ご存じ健さんの最新映画。できは良いと思う。ロードームービーだけど、立ち寄る場所は少ないし、絡む人たちとのつながりが後の振りとなる作り。平戸のシーンでの大滝秀治さんはさすが。余貴美子さんの絡みもうまい。

まあラストのエピのつながりの流れがやや個人的にはわかりにくかったが、このあたりがラストの静かな感慨を若干そいだのかな。

NHKドキュメンタリーで見るよりもスクリーンの中の健さんはずっと若々しい。

大滝秀治さんはこの映画が遺作となりました。

★★★★

 

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